【コーチング】第3回 コーチング vs そのほかの援助職
セラピーとカウンセリング
セラピスト(心理療法)やカウンセラーは主に過去の体験を癒し、現実生活を送るうえでの障害を取り除くことに焦点を当てたトレーニングを受けた専門家です。
次のようなことが一般的に取り扱われます。
・一般的に過去やそれにまつわるトラウマを扱い、癒しとなることを探します。
・過去に人間関係で精神的苦痛を得た体験を解消する手助けをします。
・セラピストが診断を下し、専門的な分野での治療を施します。
・進展はしばしば遅く、苦痛を伴うこともあります。
セラピー vs コーチング
セラピストは主として過去を扱い、精神的苦痛を体験する以前の元の状態に戻ることに焦点を当てています。
コーチングは、今と未来を扱い、どのように出現する未来を望んだものにしていくかに焦点を当てています。
セラピーは精神的に問題がある人には欠かすことのできないものです。
コーチングはすでに健康で、すでに変化に対してモチベーションがあり、行動を起こす準備ができている人のものです。
コーチングは、セッションの最も初めにゴールを断定し、それについて様々なことを明らかにし、前進することに焦点を当てています。そのためには約束事は必須で、コーチはそれに対するフォローアップをします。
セラピーもコーチングもそれぞれの分野での目的があり、それらは決して混同して考えてはいけません。
コーチングは望み通りの人生を作り出すために、現在いるところから未来を扱い、クライアントの過去の情報を、現在のクライアントの位置を知るために使います。クライアントが前進するために、過去の問題を解決することに頼ることを主なこととはしていません。
セラピストはコーチングスキルを現在の治療に加えることができますが、コーチがセラピーをするということはありません。
コーチングは、必ずしも過去に起因しているものに戻らなくとも、コーチのサポートにより、これからどうなりたいかに焦点をあて、過去の限界を超え、前進することが可能です。
コーチングは、クライアント本人の取り組む目的の最上位に、「望む未来を断定し、前進するために最善を尽くす」という姿勢があることが最も重要です。
これによって、コーチとクライアントは共に望む未来を実現する、という目標達成のために、嘘偽りなく課題に取り組むことができるのです。
矢内綾乃