【コーチング】第9回 効果的質問(パワフルクエスチョン)スキル ~3~
3大コーチングスキル
リスニング スキル→第7回
リフレクション スキル→第8回
◎パワフルクエスチョン スキル
効果的質問(パワフルクエスチョン)スキル ~3~
効果的質問(パワフルクエスチョン)はクライアントから、さらに素晴らしい可能性を引き出し、彼らの新たな学びを作り、気づきを拡大させ、より明確なビジョンを創り出すのに、最もよくコーチが使うツールです。
効果的質問の前提条件として、オープン・クエスチョン であること が大切です。
質問の種類にはクローズド・クエスチョン、と、オープン・クエスチョンの二種類があります。
クローズド・クエスチョンはすべて「はい」「いいえ」で答えらえるような特定の答えを求めるよう限定された質問です。
オープン・クエスチョンは単純に「はい」「いいえ」で答えられないような質問で、これまで言語化していなかったプロセスを通るために、クライアントの気づきや洞察を深め、彼らの創造性を引き出し、可能性を広げることができます。
コーチングにおいてはクライアントからはっきりとした「はい」「いいえ」を聴かなければならないような状況は限られており、ほとんどの場合はオープン・クエスチョンを使い、クライアントが自由に表現し、冒険をすることができるスペースを創り出します。
コーチングの特徴は教えることではなく、問いかけることでクライアントが自ら考え、行動することにあります。このオープン・クエスチョンはコーチングの根幹をなすスキルであり、ほかのさまざまなスキルのベースとなるものです。
パワフルな質問は、常にオープン・クエスチョンで次のような疑問詞からはじまり(含み)ます。
(環境レべル)いつ When どこ Where 誰に Whom
(行動レベル)何を What
(能力レベル)どのように How
(価値観・信念レベル)なぜ Why
(アイデンティティレベル)あなたは誰か who
注意!
1)「なぜ」や「どうして」というようにコーチの判断や評価を含んだ質問と、「~しない(しなかった)の?」「~できない(できなかった)の?」という否定語を使うと、相手を責めているような印象を与え、委縮させたり、防衛的な態度を引き出すことがあります。
この場合、例えば「なぜ、決めたことができなかったのですか?」と問うよりも「決めたことをできなかったということですが、何があったのですか?」と問う方が効果的でしょう。
注意!
2)クライアント本人ではなく第三者へ向けた質問やクライアントの周辺情報を聞き出す質問も、無意味な情報を収集するだけで、ほとんど効果がありません。
例えば、「あなたの上司はなんといったのですか?」と聞くと、会話の中心がクライアントから、その場にいない上司に移ってしまい、コーチングの焦点がずれてしまいます。
注意!
3)「どこへ行ったのですか?」とか「いつしたのですか?」といったように単に過去の情報を収集するためだけの質問は、クライアントに気づきや洞察を深めたり、可能性を広げたり、行動を促すものにはならないので、これも効果的ではありません。
基本的にコーチングは、現在から未来に意識を向けます。過去のことを聴くのはクライアントのスタークオリティを見つけるなどの場合に限られます。(※)
効果的質問(パワフルクエスチョン)を使うときに大切なことは
「この質問は、クライアントの気づきや洞察を深めるものだろうか?」
「この質問は、クライアントの可能性や支店を広げるものだろうか?」
「この質問は、クライアントの行動を促すものだろうか?」など意識しながら質問することです。
例)
「今日話したいことはどんなテーマですか?」
「ほかにどんな方法があるでしょうか?」
「それを達成した時に何が得られるでしょうか?」
「この体験を次に活かすためにはどうしますか?」
「何を学びましたか?」
「どんな気づきがありましたか?」
例外)
特別にクライアントの意思や気持ちをはっきりさせる必要があるときは意図的にクローズド・クエスチョンを使います。
第9回:練習)クローズド・クエスチョンをリフレーム(言い換え)する
・締め切りはありますか
・それで充分ですか
・それはあなたにとって本当に気にするべきことですか
・セルフケアをしていますか
・十分にもうけていますか
・彼のことを愛していますか
・あなたができることはありますか
・電話をかけましたか
・人生の立て直しをしようと思いますか
矢内綾乃