【コーチング】第5回 3つのステージ
3つのステージ
1)スキル
適切な質問や、効果的な投げかけのタイミング、タイプ別の使い分けなど、実践的な知識を身に着けるほど、クライアントから、答えを引き出すことができます。
2)プロセス
質問が単独で使われることはほとんどありません。考え抜かれた一連の質問群が、ある流れに基づいて使われることにより、初めてミラクルな効果が発揮されます。一連の質問群からなるプロセスには名前があり、どれも明確な目的を持って構成されています。
3)スタンス
クライアントが前進するために良い質問をし、答えを聴くというスキルとは異なったレベルでコーチに求められるものがスタンス(立ち位置)です。
クライアントとの間の恒久的な信頼関係、適切な距離、そしてコーチ自身が自分が誰なのかを知っており、今どの地点まで来ているかを自覚していることなどを差します。
このスタンスは、過去と未来の間をクライアントと共に自由に行き来する経験を創り出すことさえ可能になります。スキルというよりはセンスに近いものですが、努力や経験を貯えることでだれでも身に着けられるようになります。
分離関与(デタッチト・インボルブメント)
スタンス
人と人との間にはお互いに心地よいと感じる心理的な距離が存在します。
その距離の真ん中には、目には見えない明確な境界線が引かれています。
コーチとクライアントの間、(あるいは人と人との人間関係において)心理的な距離が適切に保たれず接近したり重なったりすると、境界線が破れ、セッションの前進がしばしば困難なものになります。次のような感覚が生まれたり、できごとが起きたりするときは、両社が接近しすぎたことを知らせるアラームが鳴っていることを知っておきましょう!
コーチの考え方と行動
1.クライアントがなかなか前に進めないでいることについて、コーチが自分を責めている
2.クライアントが落ち込むと心配になり、もっと助けてあげられないものかと悩む
3.明らかにもっといいやり方、正解があるのにクライアントはどうしてそうしないのだろうかとじれったくなる
4.クライアントの悩みは自分の責任であると感じる
5.クライアントをなんとかしてあげたいと思い、焦っている
6.クライアントがどうしてもできないときは、ほかの方法を無理にでも進めてやらせたいと思う
7.時には厳しく言いつけるのもクライアントのためには仕方がないことだと思う
8.もしクライアントの計画がうまく行かなかったときは、私が責任を取りたいと思う
9.そもそもクライアントには自分で解決する力があるんだと信じていない
クライアントの考えと行動
1.このコーチにセッションしてもらっているときだけがわたしにとっての安らぎの時間だ
2.このコーチに思い切ってわたしの生涯をすべてかけてみようと思う
3.このコーチはわたしに人生の荒波を越える叡智を授けてくれるに違いない
4.この人がいないと、わたしの人生はやっていけない
5.わたしの明日がどうなるか、占って保証してもらいたい
6.自分が上手くいかないのはすべてコーチがだめだからだと腹が立つ
7.わたしが雇っているのだから、わたしの思うように都合していいのだ
8.「ふふふ。わたしの本音は違うところにあるわね」と思う
9.依存体質。寄りかかりすぎてある日くずれるような関係である
◆コーチは基本的にクライアントの代わりになにかをしてあげたり、代わりにその人の人生を生きたりすることはできません。
先取りして助けることで、学びの時間を与えず、変化の芽を摘み、成長のチャンスを奪ってしまうこともあります。
◆コーチがそこのともにいることとと、一緒に同じ穴に入り込んでしまうことは全く意味が異なります。共感(共に感じる)はしても、同情(同じ情に浸る)はしないのがコーチです。
共感しつつ、感情の分離をすることができる、そうすることで冷静な目を持ち、クライアントの進むべき方向性を探し出すことができる状態にしておくことに意義があります。
◆また、過去にコーチ自信が体験したことや、思わず感情が移入するようなとき、また、コーチ自身が”許せない”と思っているような価値観を持ったクライアントの場合もこのスキルは使われるべきものです。
この分離しながらも関与する、という状態は、コーチ自身が裁いたり、あまりに深くクライアントの心情に入り込んでしまったことから起こる”燃え尽き症候群”となることを防ぎます。
◆コーチの仕事は、クライアントが自立した一人の人間として自分の理想の人生を創り上げるために、クライアントの良き話し相手となり、冷静にいて、絶えず応援し、その夢が実現するのを一緒に達成することです。
訓練>
練習相手に何かとても感情が入っているようなことを話してもらい、それを聞きます。
→あなたが感情的に相手と同じ感情に入り込む瞬間を見極める
→深呼吸する
→正しい、間違っている、良い、悪いということはなく、経験はただの経験でしかないことを再確認する
矢内綾乃